2015年04月29日

「平成26年度税制改正大綱」の要約趣旨等

「平成26年度税制改正大綱」の目次を下記に列挙し、見送られた改正項目 、前
年度と同様の改正項目 等が再度盛り込まれたのかを検証していきす。

目 次

第一 平成26年度税制改正の基本的考え方・・・・・・・・・・・・1
税制改正に当たっては、少子高齢化が急速に進む中にあって財政健全化を確保しつつ社会保障分野をはじめとした各種政策遂行に要する財源を確保することや世代間・世代内での格差を是正すること、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築すること等の中長期課題にも与党として責任をもって取り組むことが必要である。
 わが国経済の競争力向上ために様々な対応を行う中で、法人実効税率を引き下げる環境を作り上げることも重要な課題である。

以下、この年末における主要項目について基本的考え方を述べる。
1 デフレ脱却・日本経済再生に向けた税制措置
 (1) 復興特別法人税の1年前倒し廃止
   足元の企業収益を賃金上昇につなげていくきっかけとするため、復興特別法人税を1年前倒しで廃止す
  る。
 (2) 民間投資と消費の拡大
   生産性の向上につながる設備等への投資を促進するための税制、民間企業等によるベンチャー投資の促  進のための税制や、事業再編を促進するための税制を創設するとともに、研究開発税制を拡充することと
  した。また、所得拡大促進税制を拡充することとした。
   これらに加え、大企業にも飲食のための支出の50%の損金算入を認める。また、更に港湾の民有護岸の  耐震化を推進するための税制の創設などを行う。
 (3) 地域経済の活性化
   中小企業投資促進税制を拡充することなど決定した。

2 税制抜本改革の着実な実施
 (1) 車体課税の見直し
   消費税率引上げの前後における駆込み需要及び反動減緩和も視野に入れ、国、地方を通じ、車体課税に  ついて以下のよう見直すこととする。
  ① 自動車取得税については、消費率8%への引上げ時において、自家用動車についは5%から3%、営業
   用自動車及び軽自動車については3%から2%それぞれ引き下げるとともに、平成26年度までの措置で
   あるエコカー減税の軽減率を拡充する。
    自動車取得税は、消費税率 10 %への引上げ時(平成27年10月予定)に廃止する。
  ② 自動車税については、平成25年度末で期限切れを迎える「グリーン化特例」について、対象車種にク
   リーンディーゼル車を追加する等の基準の切替えと重点化、拡充を行った上で2年間延長する。
    また、消費税率10%段階において、自動車取得税のグリーン化機能を維持・強化する環境性能課税     (環境性能割)を、自動車税の取得時の課税として実施する。
 (2) 地方法人課税の偏在是正
   地方税制については、消費税率8%段階において、法人住民税法人税割の税率を引き下げるともに、当  該引下げ分に相当する、課税標準を法人税額とする地方法人税(仮称)を創設して、その税収全額を交付   税及び譲与配金特別会計に直接繰り入れ、地方交付税原資とする。また、地方法人特別税・譲与税の規模  を縮小し、法人事業税に復元する。
   消費税率10%段階においては、法人住民税法人税割の地方交付税原資化をさらに進める。また、地方法  人特別税・譲与税を廃止する。
 (3) 給与所得控除の見直し
   当面、特に高所得の給与所得者に係る給与所得控除の見直しを行う。
   具体的には、平成28年より、給与等の収入金額が1,200万円を超える場合の給与所得控除の上限を230  万円とし、平成29年より、給与等の収入金額が1,000万円を超える場合の給与所得控除の上限を220万円  とする。
 (4) 軽減税率
   消費税の 軽減率制度については、「社会保障と税の一体改革」の原点に立って必要な財源を確保しつ 
  つ、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する。

第二 平成26年度税制改正の具体的内容・・・・・・・・・・・・・・8
 Ⅰ 秋の大綱(民間投資活性化等のための税制改正大綱)での決定事項

 一 民間投資の活性化
(国 税)
〔新設〕
 1 生産性の向上につながる設備投資を促進するための税制措置(生産性向上設備投資促進税制)の創設
   その生産性向上設備等を国内にあるその法人の事業の用に供した場合には、その取得価額の50%(建物及  び構築物については、25%)の特別償却とその取得価額の4%(建物及び構築物については、2%)の税  額控除との選択適用ができることとする。ただし、税額控除における控除税額は、当期の法人税額の20%  を上限とする。
   なお、産業競争力強化法の施行の日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたものについては、そ  の普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却とその取得価額の5%(建物及び構築物につい  ては、3%)の税額控除との選択適用ができることとする(所得税についても同様とする。)。

 二 資産課税 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 58
 1 復興支援のための税制上の措置
(国 税)
〔延長・拡充等〕
(1) 東日本大震災の被災者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置につい  て、警戒区域設定指示等の対象区域内に居住していた者に係る受贈期限を警戒区域設定指示等の解除後1  年(現行3月)に延長する。
(注)上記の改正は、平成26年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。
(地方税)
〔延長・拡充等〕
〈固定資産税・都市計画税〉
(1) 東日本大震災に係る津波により甚大な被害を受けた区域のうち、市町村長が指定する区域における土地  及び家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税免除等の適用期限を1年延長する。

 三 法人課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
 1 復興特別法人税の1年前倒し廃止
(国 税)
  復興特別法人税の課税期間を1年間前倒しして終了することとする。
  なお、復興特別法人税の課税期間終了後、法人が各事業年度において利子及び配当等に課される復興特別 所得税の額は、各事業年度において利子及び配当等に課される所得税の額と合わせて、各事業年度の法人税 の額から控除する。この場合に、復興特別所得税の額で法人税の額から控除しきれなかった金額があるとき は、その金額を還付する。
(地方税)
  復興特別法人税の課税期間終了後、法人が各事業年度において利子及び配当等に課される復興特別所得税 の額が法人税から控除されることについて、法人住民税において所要の措置を講ずる。
 2 民間投資と消費の拡大
〔延長・拡充等〕
  (1) 交際費等の損金不算入制度について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
   ① 交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用の額の50%を損金の額に算入することとする。
  (注)飲食のために支出する費用には、専らその法人の役員、従業員等に対する接待等のために支出する費用(いわゆる社内接待費)を含まない
   ② 中小法人に係る損金算入の特例について、上記①との選択適用とした上、その適用期限を2年延長す    る。
 5 地方法人課税の偏在是正
  (1) 法人住民税法人税割の税率の改正
    法人住民税法人税割の税率を次のとおりとし、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用す   る。
現 行 改 正 案
[標準税率]制限税率] [標準税率][制限税率]
道府県民税法人税割 5.0% 6.0% 3.2% 4.2%
市町村民税法人税割 12.3% 14.7% 9.7% 12.1%
(2) 地方法人税(国税)(仮称)の創設
① 納税義務者
法人税を納める義務がある法人は、地方法人税(仮称)を納める義務がある。
(注)法人には、人格のない社団等及び法人課税信託の引受けを行う個人を含む。
② 税額の計算
イ 地方法人税(仮称)額は、各課税事業年度の基準法人税額(課税標準)に4.4%の税率を乗じて計
算した金額とする。
ロ 基準法人税額は、次の法人税額とする。ただし、附帯税の額を除く。
(イ) 各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課 される法人
各事業年度の所得に対する法人税の額(所得税額控除、外国税額控除及び仮装経理に基づく過大
申告の場合の更正に伴う法人税額の控除を適 用しないで計算)
(ロ) 退職年金業務等を行う法人
各事業年度の退職年金等積立金の額に対する法人税の額
ハ 税額控除
外国税額控除及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税(仮称)額の控除を行
うこととする。
③ 申告及び納付
イ 地方法人税(仮称)の申告及び納付は、国(税務署)に対して行うものとする。
ロ 申告書の提出期限は、法人税の申告書の提出期限と同一とする。
④ その他
質問検査権、罰則等については、法人税と同様とし、その他所要の規定の整備を行う。
⑤ 適用区分
地方法人税(仮称)は、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用する。
(3) 地方法人特別税の税率の改正
地方法人特別税の税率を次のとおりとし、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用する。
現 行 改正案
① 付加価値割額、資本割額及び所得割額の 148% 67.4%
合算額によって法人事業税を課税される法
人の所得割額に対する税率
② 所得割額によって法人事業税を課税され 81% 43.2%
る法人の所得割額に対する税率
③ 収入割額によって法人事業税を課税され 81% 43.2%
る法人の収入割額に対する税率
(4) 法人事業税(所得割及び収入割に限る。)の税率の改正
法人事業税の標準税率を次のとおりとし、平成26年10月1日以後に開始する事業年度から適用する。
① 資本金の額又は出資金の額(以下「資本金」という。)1億円超の普通法人の所得割の標準税率
現 行 改正案
年400万円以下の所得 1.5% 2.2%
年400万円超年800万円以下の所得 2.2% 3.2%
年800万円超の所得 2.9% 4.3%
② 資本金1億円以下の普通法人等の所得割の標準税率
現 行 改正案
年400万円以下の所得 2.7% 3.4%
年400万円超年800万円以下の所得 4% 5.1%
年800万円超の所得 5.3% 6.7%
③ 特別法人の所得割の標準税率
現 行 改正案
年400万円以下の所得 2.7% 3.4%
年400万円超の所得 3.6% 4.6%
(特定の共同組合等の年10億円超の所得 4.3% 5.5%)
④ 収入金額課税法人の収入割の標準税率
現 行 改正案
電気供給業、ガス供給業及び保険業を行う 0.7% 0.9%
法人の収入金額に対する税率
(注)3以上の都道府県に事務所又は事業所を設けて事業を行う法人
のうち資本金1,000万円以上であるものの所得割に係る税率につい
ては、軽減税率の適用はない。
(5) その他
その他所要の措置を講ずる。

四 消費課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
1 車体課税の見直し
(国 税)
(1) 排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車に係る自動車重量税の免税等の特例措
置(いわゆる「自動車重量税のエコカー減税」)について、平成26年4月1日以後に新車に係る新規検
査を受けた検査自動車のうち、当該新規検査の際に納付すべき自動車重量税を免除された検査自動車に
ついては、当該新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する。
(2) 平成26年4月1日以後に継続検査等を受ける自家用の検査自動車のうち、新車新規登録から13年
を経過したもの(新車新規登録から18年を経過したものを除く。)に係る自動車重量税の税率につ
いて、別紙のとおり見直しを行う。
(地方税)
〈自動車取得税〉
(1) 平成26年4月1日以後に取得される平成22年度燃費基準を満たす自動車等に対して課する自動車取
得税の税率を、次のように引き下げる。
① 自家用の自動車(軽自動車を除く。) 100分の3(現行100分の5)
② 営業用の自動車及び軽自動車 100分の2(現行100分の3)
(2) 平成26年4月1日以後に取得される自動車について、排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷
の小さい自動車(新車に限る。)に対して課する自動車取得税に係る特例措置(いわゆる「自動車取
得税のエコカー減税」)において、現行、税率を75%軽減する自動車に係る軽減割合を80%に、税率
を50%軽減する自動車に係る軽減割合を60%に拡充する。
(3) その他所要の措置を講ずる。

五 国際課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・104

六 納税環境整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・107
2 税理士制度の見直し 税理士制度の見直し
(2)調査の事前通知の規定の整備
税務官公署の当該職員は、租税の課税標準等を記載した申告書を提出した者について調査する場合にお
いて、その租税に関し税理士法第30条の規定による書面を提出している税理士があるときは、国税通則法
等の定めるところにより、当該税理士に対し調査の事前通知をしなければならないこととする。

七 関税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・114

第三 検討事項

1 年金課税については、少子高齢化が進展し、年金受給者が増大する中で、世代間及び世代内の公平性の確保
や、老後を保障する公的年金、公的年金を補完する企業年金を始めとした各種年金制度間のバランス、貯蓄商
品に対する課税との関連、給与課税等とのバランス等に留意して、年金制度改革の方向性も踏まえつつ、拠
出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討する。

2 医療費控除については、長らく基本的な制度変更は行われておらず、その間の医療費の増大や医療・医薬品
を取り巻く環境変化、当該控除に係る執行面の実情等を踏まえ、公正な課税を確保するため、対象となる医療
費の範囲や適用下限額の見直し、適正な執行の確保等について、そのあり方を総合的に検討する。

4 寄附金税制については、これまでの制度拡充の効果等を踏まえ、所得控除による対応を基本としている所
得税において税額控除を適用する場合の対象範囲等についての考え方や、控除の選択制の適否を含めた控除方
式のあり方等について、主要国の制度も参考にしつつ総合的に検討し、早期に具体的な結論を得る。

5 小規模企業等に係る税制のあり方については、個人事業主、同族会社、給与所得者の課税のバランス等に
も配慮しつつ、個人と法人に対する課税のバランスを図るための外国の制度も含め幅広い観点から検討する。

【総 評】
今回は平成26年度税制改正大綱に関して、検証していきました 。
平成25年度税制改正大綱は表紙1P、目次1P、本文92Pの冊子だったのが、平成26年度税制改正大綱は表紙
1P、目次1P、本文(別紙含む。)133Pの冊子と前年度よりボリュームのある内容になった印象です。
特に目新しく感じたのは、法人課税では中小法人の交際費課税の見直し、地方法人課税の偏在是正、消費課
税では車体課税の見直しが目に付きました。
posted by 7に縁がある税理士 at 16:27| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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