2022年04月23日

「令和 4 年度(2022年度)税制改正大綱」の要約 趣旨等

「令和 4 年度税制改正大綱」の目次を下記に列挙し、見送られた改正項目、前年度と同様の
改正項目等が再度盛り込まれたのかを検証していきます。

目 次

第一 令和 4 年度税制改正の基本的考え方・・・・・・・・・・・・1
岸田内閣は、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)への対応に万全を期
しつつ、未来を見据え、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコン
セプトに、新しい資本主義の実現に取り組むこととしている。
以下、令和 4 年度税制改正の主要項目及び今後の税制改正に当たっての基本的考え方を
述べる。
1.成長と分配の好循環の実現
(5) 住宅ローン控除等の見直し
まず、住宅ローン控除については、4年間延長することとする。
床面積要件については、令和 5 年以前に建築確認を受けた新築住宅において、合計所
得金額 1,000 万円以下の者に限り、40 ㎡に緩和する。
控除率を 0.7%とするとともに、住宅ローン控除の適用対象者の所得要件は 2,000 万
円に引き下げることとする。
2.経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
3. 国際課税制度の見直し
4. 円滑・適正な納税のための環境整備
5. その他

第二 令和 4 年度税制改正の具体的内容・・・・・・・・・・・・・16
一 個人所得課税
1 住宅・土地税制
(1) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について適用期限(令和 3 年 12
月 31 日)を令和 7 年 12 月 31 日まで 4 年延長するとともに、次の特例措置を講ず
る。
① 住宅の取得等をして令和 4 年から令和 7 年までの間に居住の用に供した場
合の住宅借入金等の年末残高の限度額(借入限度額)、控除率及び控除期間を次
のとおりとする。
イ 認定住宅等以外の住宅の場合
居住年 借入限度額 控除率 控除期間
令和4年・令和5年 3,000 万円 0.7% 13 年
令和6年・令和7年 2,000 万円 10 年
(注) 上記の金額は、住宅の取得等が居住用家屋の新築、居住用家屋で建築後
使用されたことのないものの取得又は宅地建物取引業者により一定の増
改築等が行われた一定の居住用家屋の取得である場合の金額等であり、そ
れ以外の場合(既存住宅の取得又は住宅の増改築等)における借入限度額
は一律 2,000 万円と、控除期間は一律 10 年とする。
② 適用対象者の所得要件を 2,000 万円以下(現行:3,000 万円以下)に引き下げ
る。
③ 個人が取得等をした床面積が 40 ㎡以上 50 ㎡未満である住宅の用に供する
家屋で令和 5 年 12 月 31 日以前に建築確認を受けたものの新築又は当該家屋
で建築後使用されたことのないものの取得についても、本特例の適用ができる
こととする。ただし、その者の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計
所得金額が 1,000 万円を超える年については、適用しない。
2 金融・証券税制
3 租税特別措置等
4 その他

二 資産課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
1 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置等
2 土地に係る固定資産税等の負担調整措置
3 租税特別措置等
4 その他

三 法人課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
1 積極的な賃上げ等を促すための措置
2 オープンイノベーション促進税制の拡充
3 地方活性化、災害への対応
4 中小・小規模事業者の支援
5 経済と環境の好循環の実現
6 円滑・適正な納税のための環境整備
7 新たな沖縄振興に向けた措置
8 その他の租税特別措置
9 その他

四 消費課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71
1 適格請求書等保存方式に係る見直し
(1) 適格請求書発行事業者の登録について、次の見直しを行う。
① 免税事業者が令和 5 年 10 月 1 日から令和 11 年 9 月 30 日までの日の属する
課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、その登録日から
適格請求書発行事業者となることができることとする。
② 上記①の適用を受けて登録日から課税事業者となる適格請求書発行事業者
(その登録日が令和 5 年 10 月 1 日の属する課税期間中であるものを除く。)の
その登録日の属する課税期間の翌課税期間からその登録日以後 2 年を経過す
る日の属する課税期間までの各課税期間については、事業者免税点制度を適用
しない。
2 租税特別措置等
3 その他

五 国際課税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
1 課題支払利子税制の見直し
2 外国子会社合算税制の見直し
3 その他

六 納税環境整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82
1 税理士制度の見直し
2 帳簿の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の整備
3 財産債務調書制度等の見直し
4 地方税務手続のデジタル化
5 その他

七 関税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
1 暫定税率等の適用期限の延長等
2 個別品目の関税率等の見直し
3 海外の事業者を仕出人とする模倣品の水際取締りの強化
4 その他

第三 検討事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
1 年金課税については、少子高齢化が進展し、年金受給者が増大する中で、世代間及び世
代内の公平性の確保や、老後を保障する公的年金、公的年金を補完する企業年金を始め
とした各種年金制度間のバランス、貯蓄・投資商品に対する課税との関連、給与課税等と
のバランス等に留意するとともに、平成 30 年度税制改正の公的年金等控除の見直しの
考え方や年金制度改革の方向性、諸外国の例も踏まえつつ、拠出・運用・給付を通じて課
税のあり方を総合的に検討する。
5 自動車関係諸税については、「2050 年カーボンニュートラル」目標の実現に積極的に貢
献するものとするとともに、自動運転をはじめとする技術革新の必要性や保有から利用
への変化、モビリティーの多様化を受けた利用者の広がり等の自動車を取り巻く環境変
化の動向、地域公共交通へのニーズの高まりや上記の環境変化にも対応するためのイン
フラの維持管理や機能強化の必要性等を踏まえつつ、国・地方を通じた財源を安定的に確
保していくことを前提に、受益と負担の関係も含め、その課税のあり方について、中長期
的な視点に立って検討を行う。

【総 評】
今回は令和 4 年度税制改正大綱に関して、検証していきました。 令和 3 年度税制改正大
綱は表紙 1P、目次 1P、本文 131P の冊子だったのが、令和 4 年度税制改正大綱は表紙 1P、
目次 1P、本文 98P の冊子と前年度よりスリムな内容になった印象です。
特に目新しく感じたのは、個人所得課税では住宅借入金等を有する場合の所得税額の見
直しが目に付きました。
posted by 7に縁がある税理士 at 01:24| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

【税理士法に関する改正要望書】、【新型コロナウィルス感染症の影響に伴う税制改正に関する建議書(抜粋)】

【税理士法に関する改正要望書】
■Ⅰ ICT 化とウィズコロナ時代への対応■
1 税理士の業務の ICT 化推進の明確化
電子申告・納税、マイナポータルの利活用など税理士の業務の ICT 化の推進を通じて、
納税義務者の利便性向上に努めることを明確化すべきである。
5 事務所規定の見直し
物理的な設備の状況等のみを判定基準とする税理士事務所の定義を見直すべきであ
る。
■Ⅱ 多様な人材の確保■
■Ⅲ 税理士に対する信頼の向上を図るための環境整備■
8 社員税理士の法定脱退事由の整備
税理士法人における社員税理士の法定脱退事由として、業務停止処分を明記すべきで
ある。
9 税理士法違反行為の時効制度の創設
税理士法違反行為後 10 年の税理士懲戒処分が除斥される規定を創設すべきである。
■Ⅳ その他■
10 法 33 条の 2 に規定する書面の名称変更及び資産税用の様式制定
法 33 条の 2 に規定する書面の名称について、書面の趣旨を端的に表すものに変更す
べきである。また、相続税及び贈与税などに適した複数の様式を制定すべきである。

【新型コロナウィルス感染症の影響に伴う税制改正に関する建議書(抜粋)】
■Ⅰ 納税の減免・免除及び期限の延長関係■
〔3. 法人都道府県民税及び法人市町村民税の均等割額の減免・免除(地方税)〕
一定期間(例えば令和 2 年 2 月 1 日から令和 4 年 1 月 31 日までの 2 年間)に開始する
事業年度の法人都道府県民税及び法人市町村民税の均等割額について、一定期間(例えば
令和 2 年 2 月から同年 10 月までの任意の 3 ヶ月間)の売上高が前年の同期間と比べ 30%
以上 50%未満減少している場合には 2 分の 1、50%以上減少している場合には全額免除
などの措置を検討すべきである。
■Ⅲ 企業再建等を支援するための措置■
〔6. 中小企業経営強化税制(C 類型)の適用要件の緩和〕
テレワーク等のための一定の設備投資については、「一定の規模以上のもの」という要
件は撤廃し、少額の資産についても即時償却又は税額控除を認めるべきである。
日税連は、このほど【電子申告に関する要望事項(抜粋)】を取りまとめ、国税庁及び一般
社団法人地方税電子化協議会に提出することとした。この要望書は、情報システム委員会が
毎年、電子申告の問題点及び課題を実務家の視点から抽出し取りまとめているもの。本稿で
は、その抜粋を掲載する(全文は日税連ホー ムページに掲載)。
■ e-Tax 編 ■
【重要要望項目】
(電子証明関係)
(1 税理士の代理送信について、税理士であることを証明できる仕組みを設けること。)
税理士法第 33 条において税理士資格を証明できる電子証明書の送信を義務付けるか、
少なくとも電子的に税理士であることを証明できる仕組みを設ける必要がある
(メッセージボックス)
(4 メッセージボックスについて以下の改善を図ること。)
(1) システム面の改善。
① e-Tax の利用時間外であっても参照できるようにすること。
② 「還付金処理状況」は最終更新から 1 か月間閲覧可能となっているが、翌期の確定
申告の際に必要な情報であるため、それまで期間を延長すること。あるいは他に確認
手段を講じること。
(2)受信通知の表記の改善。
(3)税理士のメッセージボックスの改善。
現在、税理士は自らの申告、代理送信ともに同じ利用者識別番号を使っているが、税理
士本人に関する情報と代理した納税者に関する情報が混 在しているため、税理士のメ
ッセージボックスの閲覧方法について改善 すること。
(4)メッセージボックスの発展的なシステムの構築。
(その他)
(5 電子申告実施後に納付書の発行を可能にすること。)
今後、金融機関で納付可能な納付書を国税庁ホームページからダウンロードする等の
方法によって入手可能となることを要望する。
【重要項目】
(7 電子納税・ダイレクト納付について改善を図ること。)
(1) ダイレクト納付手続に関する改善。
ダイレクト納付手続は完了まで 3 週間から 1 カ月程度を要することから、ダイレ
クト納付届出書の電子申請を可能とするなど手続きの簡略化及び期間の短縮を図る
こと。
(2) 対応金融機関の拡大。
多くの銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫がダイレクト納付に対応しているが、よ
り一層の利便性向上のため、農業協同組合やネット銀行など全ての金融機関でダイレ
クト納付ができるよう働きかけること。
■ eLTAX 編 ■
【重要要望項目】
(システム)
(4 全ての都道府県及び市町村において、全ての申告、申請、届出を提出可能とすること。)
提出先によって紙媒体で提出しなければならない書類もあるため、全ての都道府県及
び市区町村において、全ての申告、申請、届出が電子で提出可能となることを要望する。
(6 メッセージボックスについて以下の項目について改善すること。)
申告完了後の受信通知の保存期間が 400 日から 120 日に短縮された。
これは e-Tax の 1900 日に比較して極端に短く、保存期間の延長を要望する。

【総 評】
今回は、日本税理士会連合会が取りまとめた【税理士法に関する改正要望書】、【新型コロ
ナウィルス感染症の影響に伴う税制改正に関する建議書(抜粋)】、【電子申告に 関する要望
事項(抜粋)】について取り上げたのは、今年 12 月に提出される自民党政権下での令和 4 年
度税制改正にどこまでこの要望事項(抜粋)が取り込まれているかの確認の意味での意図か
らです。
特に同意を示したのが、下記事項です。 (4 メッセージボックスについて以下の項目につい
て改善すること。) 申告完了後の受信通知の保存期間が 400 日から 120 日に短縮された。
これは e-Tax の 1900 日に比較して極端に短く、保存期間の延長を要望する。アンバランス
を解消した方がよろしいと思いました。
ここまでで会計税務コラム等の事務所通信のご提供をいったん終了させていただきます。
posted by 7に縁がある税理士 at 00:45| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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