2025年06月03日

「令和7年度(2025年度)税制改正大綱」の要約 趣旨等

個人所得課税
 1 物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応
 (国 税)
(1) 基礎控除
① 基礎控除について、合計所得金額が2350万円以下である個人の控除額を10万
円引き上げる。
② 上記①の見直しの結果、基礎控除の額は次のとおりとなる。
 イ 合計所得金額が2,350万円以下である個人 58万円
③ 上記①の見直しに伴い、公的年金等に係る源泉徴収税額の見直し等の所要の措置
を講ずる。
 (注1) 上記の改正は、令和7年分以後の所得税について適用する。なお、給与等及び公
的年金等の源泉徴収については、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等又は
公的年金等について適用する。
(2) 給与所得控除
① 給与所得控除について、55万円の最低保障額を65万円に引き上げる。
② 上記①の見直しに伴い、給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)、賞与に対
する源泉徴収税額の算出率の表、年末調整のための給与所得控除後の給与等の金
額の表等について所要の措置を講ずる。
 (注) 上記の改正は、令和7年分以後の所得税について適用する。なお、上記②の給与所
得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)及び賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表の
改正については、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等について適用する。
(3) 特定親族特別控除(仮称)
① 居住者が生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族等(その居住者の配偶者及び青色事業専従者等を除くものとし、合計所得金額が123万円以下であるものに限る。)で控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額等から次のとおりの控除額を控除する。
親族等の合計所得金額   控除額
58万円超85万円以下    63万円
85万円超90万円以下    61万円
90万円超95万円以下    51万円
95万円超100万円以下    41万円
100万円超105万円以下   31万円
105万円超110万円以下   21万円
110万円超115万円以下   11万円
115万円超120万円以下    6万円
120万円超123万円以下    3万円
② 上記①の控除については、控除額が一定額以上の場合には、給与等及び公的年金
等の源泉徴収の際に適用できることとする。
③ その他所要の措置を講ずる。
   (注) 上記①の改正は令和7年分以後の所得税について、上記②の改正は令和8年1
月1日以後に支払うべき給与等又は公的年金等について、それぞれ適用する。なお、
給与所得者については令和7年分の年末調整に置いて適用できることとするほか、
所要の経過措置を講ずる。
(4) 上記(1)から(3)までの見直しに伴う所要の措置
① 同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件を58万円以下(現行:48万円以
下)に引き上げる。
② ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の合計額の要件を58万円以下(現
行:48万円以下)に引き上げる。
③ 勤労学生の合計所得金額要件を85万円以下(現行:75万円以下)に引き上げる。
④ 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額を65万円(現行:55万円)に引き上げる。
⑤ その他所要の措置を講ずる。
(注) 上記の改正は、令和7年分以後の所得税について適用する。
 (地方税)
(1) 給与所得控除
 給与所得控除について、55万円の最低保障額を65万円に引き上げる。
(2) 特定親族特別控除(仮称)
①  所得割の納税義務者が生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族等(その納税義務者の配偶者及び青色事業専従者等を除くものとし、前年の合計所得金額が123万円以下であるものに限る。)で控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合には、その納税義務者の前年の総所得金額等から次のとおりの控除額を控除する。
親族等の合計所得金額   控除額
58万円超95万円以下    45万円
95万円超100万円以下    41万円
100万円超105万円以下    31万円
105万円超110万円以下    21万円
110万円超115万円以下    11万円
115万円超120万円以下    6万円
120万円超123万円以下    3万円
② その他所要の措置を講ずる。
(3) 所得税における(2)から(4)までの見直しに伴う所要の措置
① 同一生計配偶者及び扶養親族の前年の合計所得金額要件を58万円以下(現行:48
万円以下)に引き上げる。
② ひとり親の生計を一にする子の前年の総所得金額等の合計額要件を58万円以下
 (現行:48万円以下)に引き上げる。
③ 勤労学生の前年の合計所得金額要件を85万円以下(現行:75万円以下)に引き上
げる。
④ その他所要の措置を講ずる。
  (注) 上記の改正は、令和8年度分以後の個人住民税について適用する。
 3 子育て支援に関する政策税制
 (国 税)
(1) 生命保険料控除について、次の見直しを行う。
① 新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、居住者が年齢23歳未満の扶
養親族を有する場合には、令和8年分における当該一般生命保険料控除の控除額
の計算を次のとおりとする。
  年間の新生命保険料      控除額
30,000円以下         新生命保険料の全額
30,000円超60,000円以下    新生命保険料×1/2+15,000円
60,000円超120,000円以下   新生命保険料×1/4+30,000円
120,000円超          一律60,000円
② 旧生命保険料及び上記①の適用がある新生命保険料を支払った場合には、一般生
命保険料控除の適用限度額は6万円(現行:4万円)とする。
③ 上記①の見直しに伴い、給与所得者の保険料控除申告書等についてその記載事項
の見直しを行う。
④ その他所要の措置を講ずる。
(注) 一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用
限度額は12万円とする(現行と同じ。)。


【総  評】
今回は令和7年度税制改正大綱に関して、検証していきました。
特に目新しく感じたのは、個人所得課税では子育て支援に関する政策税制が目に付きました。
posted by 7に縁がある税理士 at 01:23| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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